ゼリーはお好きですか?
小さい子どもさんはゼリーが好きですよね。
つるんとしていて、噛まなくても飲み込める。
のどが痛い時にも活躍してくれる食品のひとつです。
それ以外にも、ゼリーは食べやすい形態であるため介護食としても利用されています。
飲み込む力が低下した方には、飲み込みやすい形態の食事を提供する必要があります。
そこで取り入れたいのがゼリー食。
噛まずに簡単に飲み込める点では介護食にとても適しています。
でもゼリー食ってなんだかワンパターンになってしまうイメージがある。
実際のところおいしいの?
作るのって大変?
見た目が全て同じにならない?
ゼリー食の必要性は理解できても、初めの一歩を踏み出せないでいる方は多くいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ゼリー食を使うことに対して足踏みしている方の疑問や悩みを少しでも減らすための情報をまとめてみます。
介護食とは
高齢になると咀嚼機能(噛むちから)や嚥下機能(飲み込むちから)の低下がみられます。
僕たちが普段何気なく食べているものに対して「食べづらさ」を感じてしまうのです。
食べづらさからくる食欲の減退
摂食不良による低栄養
咀嚼・嚥下機能の低下による誤嚥
これらは高齢者の方の「生きるちから」を奪ってしまうことにも繋がります。
加齢によって噛む力や飲み込む力が低下してしまった方でも、安心して食事を摂取できるように形態や調理法に工夫をこらしたものを介護食とよびます。
介護食には食べる方の機能に合わせた種類があります。
きざみ食
食材を2〜5センチ程度の大きさに細かく刻んでいるもの
食材によっては口の中でまとまりにくく逆に誤嚥しやすくなってしまうことも
適度な水分ととろみを付ける工夫が必要
軟菜食
食材を歯茎や舌でつぶせるくらいの柔らかさに仕上げたもの
食材の形が残っているため、見た目も普通食と変わらない
肉の筋切りなど食材に合わせた下処理が必要になる
ムース食
食材ごとにペースト状にして寒天やゼラチンを加えて型で固めたもの
軽く噛むか、舌で押しつぶして飲み込むことができる
手間ひまがかかる
ゼリー食
料理をペースト状にした後、ゼラチンや寒天を加えて柔らかく固めたもの
ゼリー状のため、のどごしがよく簡単に飲み込める
手間ひまがかかる
ミキサー食
食材に出汁などを加えミキサーでポタージュ状にしたもの
噛むちから、飲み込むちからともに低下している方でも食べられる
見た目がイマイチ
ひと言で介護食と言っても5つの種類に分かれていることが分かります。
そしてムース食とゼリー食の線引きは実はすごく曖昧なのです。
両方とも寒天やゼラチン、コーンスターチなどで固めています。
その硬さや柔らかさによってムース食になったりゼリー食になったりするのです。
更にその柔らかさにも分類があり、より細かく食べる方の摂食レベルに合わせる目安として利用することができます。
それがユニバーサルデザインフード(UDF)です。
ユニバーサルデザインフード(UDF)
年齢や障害の有無に関わらず、普通食から介護食まで多くの人が利用しやすいよう、食べやすさに配慮された食品です。
レトルトから冷凍食まで取り揃えられているため、利用する人のニーズに合わせた選択ができます。
食べる人の摂食レベルに合わせて柔らかさや粘度を4つの区分に分類しており、その表示も分かりやすくなっています。
図からわかるように、ゼリー食は「噛まなくてよい」に分類されます。
「噛まなくてよい」の対象者としては軟菜食はもちろん、ソフト食のように軽く噛むことすら困難な方です。
固形物を含まない滑らかな状態のものが食べやすく、ペースト状やゼリー状であればスムーズに飲み込むことができます。
ゼリー食のメリット・デメリット
メリット
ゼリー状であるため、のど越しがよく、軽く舌でつぶせるまたはほとんど噛むことなく安全に飲み込むことができます。
誤嚥のリスクも少なく、嚥下機能がかなり低下した高齢者の方や障害により嚥下が困難な方にとって利用しやすい食事形態です。
調理の工夫次第では、元の形に近づけることも可能です。
レトルト食品を使えば特別な手を加えることなく提供することができます。
デメリット
調理済みの食事をペースト状にする手間や、寒天やゼラチンでゼリーの硬さを調整するのは簡単ではありません。
硬すぎたり柔らかすぎたりしては、誤嚥のリスクが上がったり逆に食べにくさを感じてしまう結果になりかねません。
そこで検討したいのがレトルト介護食。
レトルト介護食
ドラッグストアなどで簡単に手に入れることができます。
レトルト介護食を使えば特別な手を加えることなく安全に食べていただくことができます。
ネスレ
アイソカルゼリー ハイカロリー
少量でもしっかり栄養をとれるゼリーを取り揃えています。
味の種類は12種類。
その日の気分に合わせて選ぶことができます。
ハウス
1食ずつパウチになっています。
味の種類は8種類。
ハンバーグ味や肉じゃが味など、味覚を刺激する味の工夫がされています。
UDF区分「かまなくて良い」ですが、こちらはペースト状であるためゼリー食とは若干異なります。
キューピーやさしい献立
素材の風味をいかして、滑らかに仕上げられています。
味の種類は11種類。
UDF区分「かまなくて良い」ですが、こちらもペースト状であるためゼリー食とは若干異なります。
ん?
ここまでを見ていると、やっぱりゼリー食ってワンパターンなのかもしれない。
ネスレのアイソカルゼリーは、いかにもゼリーという見た目で味の種類も「食事」というより「デザート」に近い。
ハウスやキューピーはペースト状であるため、ゼリー食のように固められてはいない。
ということは「かまなくて良い」レベルの高齢者の方には、やはり食事の選択肢が限られてしまうのではないだろうか?
そう感じたあなたにお伝えしたいのがムース食の介護食。
先ほど述べたように、ムース食とゼリー食の境界は曖昧です。
ゼリー食だけにとらわれてしまうと選択肢の幅が狭くなってしまいます。
少し視野を広げてムース食まで含めて考えてみると、倍以上の商品に出会えますよ。
やわらかダイニング
ムースやわらか宅配食は、スプーンでつぶせるやわらかさで作られています。
ゼリー食ほど固められてはいないものの、軟菜食ほど噛む必要がありません。
メニューも多く取り揃えられているため、ワンパターンになる心配もありませんね。
介護食にありがちな「なにを食べているかがわからない」を感じさせないよう、見た目にも工夫がされています。
手間ひまがかかる調理過程を省き、宅配食としてお届けしてくれる点はとてもありがたいです。
実際に利用してみた方の口コミが気になる方は、こちらを参考にしてみてはいかがですか?
ワタミの宅食
みなさんご存知のワタミの宅食にもムース食の取り扱いがありました。
ムース介護食では、見た目も普通食のように彩り豊かに作られています。
もちろん飲み込みやすいようにムース状に仕上げられているため、安心して食べて頂くことができます。
管理栄養士監修のため、栄養バランスも考えられており、単調にならないよう様々なメニューが準備されています。
こちらも宅配食として自宅へお届けしてもらえるため忙しい方にも利用しやすいです。
まとめ
噛むちからや飲み込む力が低下している方にとって、安心して食べることができるゼリー食は、ぜひとも取り入れてもらいたい介護食のひとつです。
ただ、「ゼリー食」のみで考えてしまうと、その種類はごくわずか。
食べる方も飽きてしまうかもしれませんし、食事に対しての意欲が低下するかもしれません。
線引きが曖昧な「ムース食」まで含めてみると、選択の幅がぐっと広がりますよ。
目で見ておいしそう
鼻で嗅いでいいにおい
舌で味わい、あぁおいしい
五感を使って食事を楽しんでもらえるために、見た目にも味にもこだわった宅配介護食を利用してみませんか?
もちろん手軽に手に入れることができるネスレなどのゼリー食を上手に活用することもおすすめ!
たくさんの選択肢の中から、介護をする方される方にとって使いやすいベストなアイテムに出会えたら最高ですよね。
栄養をとるためだけに食事をするのではなく、生きている楽しみのひとつとしてお食事タイムを送っていただきたいものです。