介護食というと、味が薄くて美味しくない…というイメージがありませんか?
しかし、最近のレトルト介護食は、素材の旨味を生かした味付けや、食べる人の嚥下レベルや好みに合わせたやわらかさなど、とても工夫がされています。
そこで今回は、市販品を上手に使って介護食を
優しく
美味しく
お手軽に
食べる方法をご紹介していきたいと思います。
レトルト介護食を選ぶときのポイント
やわらかさを選ぶ
まずはレトルト介護食を選ぶときのポイントをおさえましょう。
食べる人の嚥下レベルや噛む力に合わせてやわらかさを選びましょう。
『ユニバーサルデザインフード』という基準に準拠した商品なら、4段階のやわらかさが表示されています。
ユニバーサルフードデザインの具体例
キューピーの『やさしい献立』シリーズ、は日常の食事から介護食まで、幅広く使用できるやわらか食のレトルトです。
素材の旨味やダシにしっかりこだわり、しっかりとした味付けや栄養バランスの良いメニューを展開しています。
和食・洋食・麺類と豊富ラインナップがあります。また、長期保存も可能です。
ハウス食品のケアフード『やさしくラクケア』シリーズは食べやすさに配慮し、やわらかく仕上げた惣菜シリーズです。
ご飯系はもちろんのこと、ゼリーやプリンなどのデザートもあります。
デザート…食べたくなりますものね‼
アサヒの『バランス献立』シリーズは、アサヒの美味しい介護食をコンセプトにしたシニア向け商品です。
和食・洋食・中華など多彩なラインナップで、長期保存が可能です。
どの商品も、ユニバーサルデザインフードの基準に準拠して作られているので安心に利用できますね。
栄養バランスを選ぶ
レトルト介護食は、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの栄養素がバランスよく含まれています。
また、レトルト介護食を選ぶポイントとしては
- 噛む力や飲み込む力に合っているか
- 簡単にアレンジしやすいか
- 味が食べる人の好みに合っているか
ということに気を付けながら選んでいきたいですよね。
賞味期限や保存方法を確認する
レトルト介護食の賞味期限は、ほとんどの製品が製造日から約1年半から2年程度です。
例えば、キューピーの「やさしい献立」シリーズは、2018年6月11日に賞味期限を「年月日表示」から「年月表示」へ変更して、賞味期間を延長すると発表しました。
また、保存方法ですが、直射日光や高温多湿を避け、常温で保存することができます。
開封後は冷蔵庫で保存し、早めに食べるように心がけましょう。
また、一度開封したものは再度密封して保存することはできないということです。
レトルト介護食を美味しく食べるためのコツ
さぁ。いよいよ本題です(笑)
とはいっても、レトルトよね…。どうしたら美味しく食べることができるかしら…
普段、私たちが食べるレトルト商品も、手軽に利用できるので重宝しますが、味のワンパターン化もありますし、見た目も寂しく感じてしまうこともしばしばありますよね。
まずは、レトルト以外の介護食に適した食材を見ていきましょう。
レトルト食材と合わせて使えたら、見た目や味もオリジナリティが出ていいですよね。
食材選び
食材は食べやすいものを選ぶように心がけましょう。
例えば、そもそもやわらかい豆腐やバナナ、ヨーグルトなどはそのままでも使用できますよね。
また、冷凍食品の野菜や、大豆の水煮缶やツナ缶、うどんやそうめんも常備しておくと便利です。
食べる方の嚥下レベルに合わせ、栄養バランスも考えて選ぶと良いでしょう。
肉
肉はタンパク質の摂取に役立ちますが、硬くて噛みにくいなど嚥下障害のリスクになることもありますので、フードプロセッサーやミキサーなどでペーストにするなど、嚥下レベルに合わせて調理するのをオススメします。
- 牛肉・・・ヒレ、サーロイン
- 豚肉・・・ロース、モモ
- 鶏肉・・・ささ身、モモ
- ひき肉・・やわらかい部位を選んで『二度挽き』してもらうと良い。
とろみ調整やゼラチンなどを使って、ゼリー状にしたりムース状にしたりすると食べやすくなりますね。
魚・魚介類
身がやわらかく、ほぐしやすいものを選ぶようにしましょう。また、小骨が多い魚や、皮の固い魚は避けるようにしましょう。
〈マグロ、はまち、さば、鯛、鰆など〉が最適とされています。
また、調理法ですが、蒸す・焼く・煮るなどがありますが、加熱することで身が締まってパサつく、固くなるということがあります。
そういう時には、あんかけを作ったり、煮汁にとろみを付けたりすることで食べやすくなります。
野菜
できるだけ旬のものを取り入れたいですよね。
野菜を取り入れることで、彩りも豊かになり見た目にも美味しくできますよね。
・熱を加えるとやわらかくなる野菜
〈キャベツ、白菜、ブロッコリー、カリフラワー、ほうれん草、菜の花、春菊〉
などの葉物野菜
〈かぼちゃ、ジャガイモ、里芋、大根、人参、さつまいも〉などの根菜類
〈ピーマン、なす、オクラ〉などの果菜類
・ぬめりがあって食べやすい食材
〈納豆、なめ茸、とろろ昆布、モロヘイヤ〉など
旬のものや栄養バランスを考えながら、上手に使っていきたいですね。
レトルト介護食をアレンジ
レトルト食材は、ただ温めるだけで食べられる優れものですが、少しだけ手を加えて美味しく食べやすくしてみましょう。
以下は、簡単にアレンジできる具体例です。
- レトルトご飯に具材やスープを加えてリゾットや雑炊にする
- レトルトカレーに野菜やチーズを加えてグラタンにする
- レトルトうどんに野菜や卵を加えてさらに煮込む
- レトルトおかずに好みの調味料を足して味を変える
- レトルトデザートに果物やヨーグルトを加えてオシャレに
注意しなければならないのは、レトルト介護食にプラスすることで
【出来上がりのやわらかさが変わる】
いつも食べている介護食のレベルと比べてみながら気を付けてアレンジする必要がありますね。
レシピ
簡単にアレンジ出来そうなレシピを紹介します。
また、キューピー『やさしい献立』シリーズの公式サイトでは、その商品を使ったレシピも載っていますので、参考にしてみてくださいね!!
パングラタン
レトルト介護食の『クリームシチュー』を使ったレシピです。
材料(1人分)
- シチュー(レトルト) 1袋(100g)
- サンドイッチ用パン(または8枚切りの食パン) 1枚
- 牛乳 50g
- ピザ用チーズ 10g
- 粉チーズ 3g
作り方
- オーブンを240℃に温める。
- チーズを細かく刻む。
- パンを一口大にカットする。グラタン皿にパンを入れ、牛乳を入れて浸す。
- 3にシチューをかけ、チーズと粉チーズをのせる。
- チーズが溶けるまで約8分焼く。
オムレツ
材料(2人分)
- シチュー(レトルト) 1袋(100g)
- 卵 3個
- マヨネーズ 大さじ1
- 牛乳 大さじ2
- バター 小さじ1
- パセリ(みじん切り) 適量
作り方
- 卵を割りほぐし、マヨネーズと牛乳を加えてよく混ぜる。
- フライパンにバターを溶かし、卵液を流し入れる。弱火で焼き、半熟になったら半分に折る。
- シチューをレンジで温め、オムレツにかける。パセリを散らす。
シチューって、ソースにもなるし、食材を加えてさらに煮込むことで、
一味違ったメニューに大変身する優れもの!ですね。
上手に使うことで、メニューにバリエーションができそうです♪
手作りやアレンジも大変な時は
介護レベルが進むにつれ、食事も種類が変わりますよね。
毎日3食、やわらかくなるまで煮込んだり、固いものをつぶしたり…労力も時間もなかなか大変なものになります。
レトルト介護食にも、飽きが出てきてしまった…何か違う方法は?という時には、
「宅配」という選択肢もあります。
普段私たちが利用する「宅配サービス」にも介護食の選択肢があります。
オススメの宅配介護食
やわらかダイニング
「ただ食べる」から「笑顔が広がる」食卓へ
という想いから、食べやすいこと、やわらかさ、栄養バランスはもちろんのこと、彩りや味にもこだわった介護食を宅配で届けてくれるサービスです。
やわらかさによって3つの食事コースが選べます。どのコースにしようか迷っている人にも安心の診断サービス付きです。
便利そうだけど…お試しできないかしら…
初回購入は送料無料で7食分からお試しできます。
是非試してみたい‼という方はこちらからどうぞ♪
また、実際に「やわらかダイニング」を利用してみた感想や、実食レポートがあるので、興味のある方は下記ページも参考にしてみてくださいね。
ワタミの宅食
ワタミの宅食ダイレクトでは、「やわらかおかず」と「ムース食」が選べます。
こちらはおかずのみになっています。
「なめらかパン」と「なめらかゼリーがゆ」が別で販売されています。主食も注文できるので便利ですね。
もう少し詳しく知りたいな…
と、不安な方には下記ページで詳しく調査していますので、是非参考にしてみてくださいね!
その他の宅配サービス
調べてみると、宅配介護食にもさまざまなものがありました。
まごころ弁当
まごころ弁当の介護食には「ムース食」があります。
原材料にこだわりぬき、味付け・栄養バランスに配慮したお弁当を毎日「日替わり献立」で届けてくれます。
1食だけの注文も受け付けてくれるそうなので、急な時にも助かりますね。
食卓便
食卓便の介護食には「やわらかい食事コース(7食セット)」と「やわらかい食事コース(あいーと)」があります。
らくらく定期便と通常コースが選べるのもポイントですね。
食卓便は、病院や介護施設、保育園などの給食を受注している日清医療食品のサービスです。
長年、医療食品で培ってきた技術力と管理栄養士監修で安心のサービスですね。
コープの介護食
コープの介護食では「きざみ食」と「ムース食」の2コースが選べます。
お住いの地域によって、メニューやコースが異なるので、確認が必要です。
栄養士が監修していて、カロリーや塩分なども考慮された健康的なお弁当が届きます。
まとめ
高齢化社会になり、ご自宅で介護する方も増えてきていると思います。
介護食は、高齢者の健康や生活の維持を支える重要な要素ではありますが、介護食を1から作るとなると、時間や労力など介護者の方にとっては、かなり大きな負担になりますよね。
少しでも負担を軽減して、家族で元気に笑顔に過ごすために、レトルトや宅配サービスなど上手に利用していきたいですね。