食べやすくて体にやさしい食事って手作りするしかないかしら?
年をとるとそれまでと同じような食事ができなくなりますよね。
固いものが噛めなくなったり、飲み込みづらくなったり、量が食べれなくなったり。
でも少しでも食事を楽しんでもらいたいと、毎日手作りするのは手間もかかって大変です。
手作りと同じくらい体にやさしい=無添加な介護食を用意できれば、罪悪感も持たずに “手抜き” ができますね。
スーパーやドラッグストアに行けば、温めるだけで食べられるレトルトの介護食が手に入ります。
無添加のレトルトがあれば安心だし楽ちんね!
無添加にこだわった介護食にレトルトは選択肢としてありでしょうか?
結論から言いますと、無添加の介護食をレトルトだけでまかなうのは難しいです。
この記事では、レトルトだけでは難しい理由と少しでも楽に無添加の介護食にする方法についてご紹介していきます!
食品添加物って何?
「食品添加物」は、食品衛生法で以下のように定義されています。
食品の製造の過程において又は食品の加工もしくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物
⾷品衛⽣法 第4条第2項
法律の言葉はわかりにくいですね。
食品を加工したり、保存したり、味をつけたりするときに使用される着色料、保存料、調味料などのことです。
添加物は、基準量以下なら安全であるということで使用を認められています。
一方では発がん性がある、人工的な濃い味によって味覚異常が起きるなどのマイナスな情報もあります。
できれば添加物のない、または少ないものを選びたいと思う人も多いでしょう。
では買いたい食品に使用されている添加物をどうやって確認すればいいのでしょうか?
写真のように添加物は、商品の裏側にある原材料名のところに表示されています。
「/」より後に記載されているものがその商品に入っている添加物になりますので、写真の商品では「食塩」の後の「甘味料」からが添加物です。
また添加物の欄を別に設けている商品もあります。
今まで原材料をじっくり見たことはなかったかもしれませんが、食品を買うときには商品裏側にある原材料の表示をチェックしてみてください。
レトルトだけでは難しい理由
レトルトだけで無添加の食事にするのは難しいです。
なぜなら、無添加のレトルト介護食が売っていないからです。
スーパーやドラッグストアでは、2つの有名なメーカーの商品をよく見かけます。
その商品に添加物が使用されているか調べてみました。
結果は、すべてのレトルト商品に添加物が使用されていました。
種類 | 目的 | 表示名 |
着色料 | 食品に色を着けて外観を良くする | カラメル色素、カロチノイド色素 |
増粘剤、安定剤、ゲル化剤 | 食品をなめらかさや粘り気を加えて 分離しにくくする | 加工でん粉、キサンタンガム、ペクチン |
酸味料 | 食品に酸味を与える | 酸味料 |
調味料 | 食品にうま味を加えて味を調える | 調味料(アミノ酸) |
豆腐用凝固剤 | 豆腐を作るときに豆乳を固める | 豆腐用凝固剤 |
乳化剤 | 水を油を混ぜ合わせる | リン酸塩(Na.K) |
栄養強化剤 | 栄養素を強化する | ビタミンC、ビタミンD 炭酸カルシウム、卵殻カルシウム、乳酸化カルシウム |
上の表が使用されている添加物です。
表示名を見ただけでは、何のための添加物かわからないものもありますね。
一つの商品に、表にある全ての添加物が使用されているわけではありませんが、いくつかの添加物が必ず入っていました。
お店では買えないけど、通販ならあるかも!
近場では買えないけど、ネット通販なら扱っている商品も多いし見つかるのではないかと思って調べてみました。
残念ながら「介護食」のくくりで無添加のレトルトを見つけることはできませんでした。
ちょっとでも楽に無添加介護食にする方法
介護食のレトルトだけで無添加にするのは難しいですが、あきらめるのはまだ早いです。
少しでも“手抜き”できる方法をご紹介します。
無添加のレトルトを利用する
無添加のレトルトはないのよね?
先ほど「介護食のくくりで」無添加のレトルトは見つけられなかったと述べました。
しかし介護にも使えるものはありました。それを利用するのです。
介護にも使える無添加のレトルトは3種類あります。
- おかゆ
- 離乳食
- 素材
1つずつ見ていきます。
まずは主食になるおかゆです。
おかゆはスーパーやドラッグストアでも売っていますので、手に入りやすいですね。
主食はレトルトにしてしまうというのも一つの手です。
また、離乳食を使うという手もあります。
実際に離乳食を介護に利用している人の声をみつけました。
家族の分とは別に介護食を毎日毎食作っていると、一日中「ごはん」にとらわれて余裕もなくなってきますよね。
使えるものは使いましょう。
離乳食は味が薄かったり、エネルギーやタンパク質が少なめだったりしますので、それらを補うとより立派な介護食になります。
他には料理に使う「素材」も無添加のものがありました。
野菜を裏ごししたものやフレーク状にしたもの、玄米クリームなどがあります。
このような素材を使えば、下ごしらえを省くことができますね!
完全無添加にこだわらない
無添加のレトルトを利用してもあまり楽になる気がしないわ
もっと介護食を楽にするには、完全な無添加にこだわらないというやり方もあります。
無添加のレトルトを利用する方法では、主食だけは簡単にできたりしますが、おかずは作らないといけないなど、結局は手を加えないといけません。
あまり楽にならないとがっかりされたかもしれませんね。
完全な無添加にこだわらないやり方としては2つあります。
- 特定の添加物だけ避ける
- 特定の添加物だけOKにする
写真の商品は離乳食ですが、「着色料・保存料・香料不使用」と書かれています。
例えば「保存料は避けたい人」「調味料だけはOKな人」であれば、この商品でも「あり」ということになります。
完全無添加にこだわらなければ、主食もおかずもレトルトでそろえることも可能になります。
レトルトにも無添加にもこだわりすぎない
レトルトでも無添加でもないなら記事のテーマと違うじゃないの!
ごもっともです。
ですが、レトルトにも無添加にもこだわりすぎないことで介護食が一番楽になります。
その方法は宅配食の利用です。
宅配食は栄養バランスを考慮されたおかずやお弁当が届くので、自分で献立を考えなくてもいいのです。
食事作りの中でも「献立を考える」「買い物に行く」「料理する」「洗い物をする」の手間が省けます。
魅力的ですね。
ここでおすすめの2つの宅配食をご紹介します!
まずはやわらかダイニングです。
やわらかダイニングは完全無添加ではありませんが、コンビニ弁当でよく見る酸化防止剤、防腐剤、甘味料、着色料などは使用されていません。
かむ力・飲み込む力に合わせて3段階のやわらかさに分かれていて、冷凍のおかずが届きます。
急に作れなくなった時、作りたくなくなった時のストックにしてもいいですね。
実際に食べてみた感想や口コミがあります。詳しく知りたい人はこちらからどうぞ ↓
もうひとつはワタミの宅食です。
塩分やカロリーが考慮されたお弁当が毎日、もしくは決まった曜日に届きます。
週に2日は楽する日など決めることができれば、ワタミの宅食はとても便利です。
ただし冷凍品とは違って添加物は多く感じてしまいますね。
ワタミの宅食について詳しい情報があります。こちらもチェックしてみてください。 ↓
まとめ
この記事では、無添加にこだわった介護食をどうやって楽に用意するかについて述べてきました。
しかし「無添加」と「楽」を両立させることはなかなか難しいことがお判りいただけたのではないかと思います。
無添加へのこだわり方と、どのくらい手を抜きたいかによって選択の仕方が変わってきます。
介護は食事だけではありません。自宅で介護されている人は24時間勤務しているようなものです。
気力と体力を失わないために、上手に手を抜く方法としてこの記事がお役に立てたなら幸いです。