介護食や流動食に関心のある方は多いと思いますが、実際に作るとなると、どのような食材や調理法を選べばいいのか、どのように栄養バランスを考えればいいのか、など悩むことも多いのではないでしょうか。
また、見た目や味が普通の食事と違う流動食は、食べる方も作る方も気分が落ち込みやすいものですよね。
作るのはさすがに大変。栄養面も心配だし…
そこで、介護食の宅配サービスを利用することに注目してみました。
宅配は便利だけど…流動食もあるのかな?
介護食の宅配サービスは、介護食を自宅に届けてくれるサービスのことで、インターネットや電話で注文できます。
この宅配サービスにも、流動食があれば、悩む時間も作る手間も大助かり!ですよね。
ということで、徹底調査していきたいと思います。
介護食区分
まず、介護食の区分について、しっかり覚えておきたいですよね。
介護食とは、噛む力や飲み込む力が弱くなった方に適した食事で、食材や調理法を工夫しています。
ユニバーサルデザインフード
介護食には、以下のように4つの区分があります。
UFD(ユニバーサルデザインフード)は、「食べやすさに配慮した食品全般」を指したものです。
このマークは、日本介護食品協議会が制定した規格に適合する商品だけについています。
どの程度のかむ力、飲み込む力があるかで選びやすくなっているんですよね。
食事形態
また、介護食の区分に応じて、以下のような種類の食事形態があります。
きざみ食 | 固形物を一口サイズに細かく切ったり 隠し包丁を入れたりした食事です。 噛み切る能力や咀嚼能力がやや弱い方に適しています。 |
軟菜食 | よく煮込んだり茹でたりして やわらかくした野菜や肉などの食事です。 噛み切る能力や咀嚼能力が弱い方に適しています。 |
ミキサー食 | 固形物をミキサーにかけて ペースト状にした食事です。 咀嚼能力や送り込み能力が不良な方に適しています。 |
ソフト食 | ペースト状のものを型抜きして 固形物のような見た目にした食事です。 咀嚼能力や送り込み能力が不良な方に適しています。 |
流動食 | ペースト状やムース状のものです。 咀嚼能力や送り込み能力がほとんどない方に適しています。 |
咀嚼能力や嚥下能力に合わせて、工夫・調理するんですね。
今回、この記事で注目したいのは『流動食』なのですが、そもそも流動食とはどういうものなのでしょうか?
流動食とは
流動食は固形物を除去した流動タイプの食事のことで、具なしの野菜スープ、重湯、ジュース、牛乳、くず湯などを利用して作ります。
を条件としています。
さらに流動食には、普通流動食・特殊流動食・濃厚流動食の3種類に分かれています。
普通流動食
普通流動食とは、水分量が多くてさらさらした液状のものです。
例えば、お茶やジュースなどがこれにあたります。
普通流動食は、水分補給に適していますが、カロリーや栄養素が少ないので、主要なエネルギー源としては不十分です。
特殊流動食
特殊流動食とは、水分量が少なくてトロトロした液状のものです。
例えば、豆腐やプリンなどがこれにあたります。
特殊流動食は、咀嚼能力や送り込み能力が不良な方に適していますが、水分量が少ないため、水分補給には注意が必要です。
濃厚流動食
濃厚流動食とは、水分量が多くてトロトロした液状のものです。
例えば、スープやヨーグルトなどがこれにあたります。
濃厚流動食は、咀嚼能力や送り込み能力が不良な方に適していますし、カロリーや栄養素も豊富なため、主要なエネルギー源としても有効です。
水分・栄養・カロリーなど、気にしなければいけない重要なポイントがたくさんありますね。
手間も時間もかかる流動食作り。
在宅介護では、さまざまな苦労もある中、少しでも負担を軽減するために、流動食にも市販品が出ています。
市販の流動食
スーパーやドラッグストア、インターネットでも注文できる市販の流動食。
作る時間もなかなかないし、うまく作れる自信がない
そんな方にオススメな市販品。まずは、メリットとデメリットを見てみましょう。
メリット
- 栄養バランスやカロリーが表示されているので、管理しやすい。
- 色々な味やメニューがあるので、飽きずに食べられる。
- 湯せんや電子レンジで温めるだけで食べられるので、手軽で便利。
- 保存期間が長いので、常備しておける。
温めるだけで食べられるというのが最大のメリットという気がしますが、デメリットを見てみると
デメリット
- 塩分や添加物が多い場合がある。
- 個人差や病状に合わせた調整が難しい場合がある。
- 見た目や味が自然ではない場合がある
便利な分、添加物などは難しい問題になってきますよね。
医師や栄養士などの専門家のアドバイスを受けながら、合ったものを選んで、健康的に食べられるようにしたいですね。
市販品のおすすめ流動食
市販品の流動食をいくつかピックアップしてみました。
ホリカフーズのミキサー食
全国の病院・介護施設で利用されているというホリカフーズのミキサー食。
ユニバーサルデザインフードの区分『かまなくてよい』の商品です。
種類が豊富で美味しい!と評判も高いです。
キューピーやさしい献立
素材の風味を生かした、なめらかなペースト食です。
主食やおかず以外に、こちらにもフルーツがありました。
デザートがあると気分も違いますよね。
アイソカル 100 バラエティ24本セット
完全栄養食として開発された流動食です。
タンパク質やビタミン、ミネラルなどがバランスよく含まれています。
水分量が多くてさらさらした液状のもので、普通流動食に分類されます。色々なフレーバーがあるので、飽きずに飲めますね。
いろんなものが販売されてるんだ~!助かる~!
しかし、市販品だけでは栄養面も心配だし、流動食でも食事を豊かに楽しくしたいという思いもありますよね。
そこで、宅配食での流動食を調べてみることにしました。
宅配食を利用する
手間暇かかる流動食。
在宅で介護するにあたり、自身で作らなければならないという苦労を払拭したい。
市販品も見てみたけど、毎日のことだし、バリエーション豊かなものにしたい。
切実な悩みがたくさんある中、流動食に特化した宅配サービスってあるのでしょうか?
メディカルフードサービス
メディカルフードサービスは、
『食事の提供を通じて、「食べられる幸せ」をお届け致します。』
という企業理念をもとに
「食べること」は「生きること」
を意識しながら商品を開発している企業です。
特徴
メディカルフードサービスは、「健康管理食」「食事療法」に特化した医療・介護食メーカーです。
見た目や味にもこだわっていたり、石川県に自社工場をもち、品質の安全性も徹底管理しています。
医療・介護食メーカーというだけでも安心ですよね。
メニュー
メディカルフードサービスでは、以下のメニューが選べます。
- やわらか食
- ムース食
- タンパク制限食
- 塩分制限食
- カロリー制限食
- バランス健康食
- 糖質制限食
- プレミアシリーズ
- バリューシリーズ
- プラスワン商品
医療・介護食メーカーだからこそのメニューの豊富さですよね。
制限食も選べるので、糖尿病や腎臓病の方も選べること、また、ダイエットしたい方の為のカロリー制限にもお役に立ちそうですね。
ムース食
さて、今回の記事の主旨である流動食について、メディカルフードサービスではどんなものが選べるのかチェックしてみましょう。
ユニバーサルデザインフード(UDF)の区分3「舌でつぶせる」レベルのムース食です。
とてもムース食には見えませんよね!
なんと、全70種類の献立があるそうです!
飽きずに美味しく楽しくいただけそうですね。
注文方法
インターネット・電話・FAXでの注文ができます。
また、どの商品を選んでいいのかわからない…という方の為に
インターネットでは、フローチャートでの誘導がある他、電話での相談にも対応しています。
管理栄養士が無料で相談を受けてくれ、商品の提案やカタログの請求もできるそうです。
直接相談できるのって心強いですね。
気になる方はこちらからどうぞ♪
ワタミの宅食
「ワタミってあの居酒屋のワタミ⁉」
というくらい、聞いたことのある名前ですが、そうなんです!あのワタミにも宅配食のサービスがあるんですよね。
通常のお食事の宅配サービス11年連続売上シェアNo.1を誇るワタミの宅食ですが、ムース食の取り扱いもあります。
ムース食
ユニバーサルデザインフード区分3「舌でつぶせる」のムース食です。
カロリーや塩分量なども、ちゃんと明記されていて安心ですよね。
メニュー
ワタミの宅食のムース食は、下記コースから選べます。
セット内容(主菜のみ記載) | 料金 | |
8食セットM-1 | 海鮮と野菜の中華旨煮 あじの塩焼き風 牛肉のみぞれ煮 ホイコーロー 筑前煮 鮭のタルタルソース さばの味噌煮 ふくさたまご風 | 5,520円(税込・送料別) ※1食あたり690円 |
8食セットM-3 | 肉じゃが 白身魚の中華あん 鶏の照り焼き風 ビーフカレー 豚肉の生姜焼き風 カレイの煮付け オムレツプレート タラの柚庵焼き風 | 5,520円(税込・送料別) ※1食あたり690円 |
メニュー内容を見ているだけでも、美味しそうでバリエーション豊かなセット内容ですよね。
ちなみに、送料は1回のご注文につき、
本州・四国・九州 800円(税込)
北海道 1,100円(税込)
沖縄 2,200円(税込)
と、かかってしまいます。
注文方法
注文は、インターネットか電話での注文が可能です。
また、お届け希望日の6日前までにご注文しましょう。
ワタミの宅食が気になる!という方はこちらからどうぞ♪
また、介護食も介護食以外でも、ワタミの宅食を詳しく知りたい!
という方はこちらの記事で詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
やわらかダイニング
やわらかダイニングとは、ウェルネスダイニングという会社が提供している、噛む力や飲み込む力が弱くなってきた方へ向けた、宅配食サービスです。
電子レンジで温めるだけで食事ができる、冷凍タイプで届きます。
メニュー
やわらかダイニングでは3段階のメニューが選べます。
ちょっとやわらか | 食事本来の食感を残しつつ 程よくやわらかめに仕上がっている。 大きいものや固いものが食べづらくなった方向け。 |
かなりやわらか | 食材の形は残しつつ、お箸で簡単にほぐれる やわらかさ。あんかけでとろみを付けるなどの 工夫でお口の中でまとまりやすくなっている。 |
ムースやわらか | ムース状にしたおかずを実際の食材に近い形に 成形している。舌で簡単につぶせるやわらかさ。 飲み込み自身のない方向け。 |
咀嚼レベルや嚥下レベルに合わせて選べるのも良いですよね。
また、おかずのみの配送なので、主食になるご飯類は自分で用意する必要があります。
上の画像…なんとムース食のメニューの例なんですよ!
スプーンでつぶせるムースやわらか宅配食のメニューは50種類にもなるとか!
また、アレルギーなどで食べられない食材がある場合は、注文時に希望をいうことで取り除いてくれるそうです。
調理・保存方法
やわらかダイニングは、1食分ずつの冷凍で届けてくれるので、食べる前に電子レンジで加熱します。
商品到着後、すぐに冷凍保存して約3か月の賞味期限になっています。
料金・送料
やわらかダイニングでは、初回のみ送料無料で注文することができます。
上記の画像は、ムース食の初回送料無料の金額です。
3食から注文できるので、お試しするにはちょうどいいかもしれませんね。
また2回目以降は、定期お届けで送料が半額に‼
1ヵ月に7食以上の食事を検討されている方は、定期購入の方がお得だということです。
口コミ・感想
それでも、いろいろ不安だし、心配も尽きない…
という方の為に、実際に頼まれている方の、口コミや感想を見て試してみる!というのも大事だと思います。
見た目も味も、想像以上に美味しそうに見えるのは、僕だけでしょうか(笑)
また、下記記事では、実際にやわらかダイニング頼んでみました!という正直な感想が読めるのでオススメです。ぜひ読んでみてくださいね。
まとめ
調べてみると、いろいろな商品やサービスが展開されていることがわかりました。
食事はいつでも、どんな時でも楽しく美味しく食べたいものですよね。
医師や栄養士などの専門家のアドバイスを受けつつ、より良い商品やサービスに出会い、介護のひと手間を少しでも和らげたらいいなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!