在宅介護をされている方、毎日の食事メニューはどうされていますか?
食べることは生きること。
でもそればかりに時間を割いていられないのも事実です。
介護を要するお年寄りがいらっしゃる家庭。
食事療法を必要とする家族がいる家庭。
大切な家族においしくて栄養のあるものを食べさせたい。
カロリーや塩分、糖分に配慮した食事を作りたい。
でも忙しくて時間がない。
柔らかくしたり細かく刻んだりって結構大変。
栄養面まで気が回らない。
特に在宅介護をされている方の食事に対する悩みを多く耳にします。
そんな悩みをお持ちの方へ
レトルト食品を視野に入れてみませんか?
ご存知の通りレトルト食品は今では様々な種類のものが販売されています。
中には介護食として利用できるものも数多く取り揃えられており、クオリティは随分高め。
そうは言ってもレトルトに対して抵抗を感じる方もいます。
- 価格が気になる
- 罪悪感を感じる
- 栄養面や味付けが心配
便利なレトルトの介護食を上手に活用したい。
でもなんだか手抜きしているみたいで抵抗がある。
今回の記事でそんな方の背中を少しでも押せたら幸いです。
介護食ってなに?
介護食とは、加齢によって弱まった機能を補う食事のことです。
噛む力が低下することで固いものが食べられなくなります。
飲み込む力が低下することで嚥下(飲み込むこと)が難しくなります。
噛む力や飲み込む力に合わせて形態を工夫した食事を介護食といいます。
食品の形態や固さが重要なワケ
①食べ物を口に入れる
②咀嚼(そしゃく)食べ物を噛むことで小さく柔らかくし飲み込みやすい状態にする
③嚥下(えんげ)口の中のものを飲み込む
これが僕たちが無意識に行なっている「食べる」という動作です。
高齢になると虫歯や歯周病が原因で「噛む」機能が低下してしまいます。
そんな方でも苦痛なく食べられるように食材の固さには注意しなければなりません。
歯が痛い時にりんごの丸かじりなんてできませんよね。
また食べ物を飲み込む嚥下機能も加齢とともに低下します。
大きなものが飲み込めないことは誰でも想像がつきそうです。
しかし注意したいのは、お茶や汁物の水分。
水分は食べ物よりものどを通過するスピードが速くなってしまいます。
そのため飲み込む時にのどの筋肉の反応が追いつかなくなり、むせてしまう結果に。
むせずに飲み込むためにはのどを通過するスピードをゆっくりにするために適度なとろみが必要なのです。
ここまでで分かるように、食べ物の固さや形態は食べる人に合わせて工夫していかなければ、食の質は確保されません。
おすすめのレトルト介護食
レトルト食品はスーパーやドラッグストアでも数多く販売されています。
温めるだけのカレーやハンバーグ。
ここには書ききれないほどの沢山の食品があります。
介護食のレトルト食品も例外ではなく色々な種類の商品があります。
代表的なのはこの3つ
- キューピー
- ホリカフーズ
- アサヒグループ食品
食べる人の噛む力や飲み込む力の程度によって固さや形態が選べます。
例えばキューピー
①容易に噛める(区分1)
②歯茎でつぶせる(区分2)
③舌でつぶせる(区分3)
④噛まなくてよい(区分4)
⑤とろみ調整
と段階に応じた4段階の区分ととろみ調整に分けられます。
食べる人にとって丁度良い内容が選べて選択肢が増えますね。
メニューも豊富にあるため、お好みの一品を探してみるのも良いのではないでしょうか。
またご家庭のお味噌汁にとろみをつけるだけでも嚥下機能が低下している方にとっては食しやすい形態に変化します。
次に価格についてです。
こちらもキューピーで比較します。
区分1 | 区分2 | 区分3 | 区分4 | |
---|---|---|---|---|
容易に噛める | 歯茎でつぶせる | 舌でつぶせる | かまなくてよい | |
セット数 | 11食 | 11食 | 12食 | 13食 |
価格 | 1944円 | 2200円 | 2502円 | 2327円 |
1食あたり | 177円 | 200円 | 208円 | 179円 |
容易に噛める(区分1)/5種類×2食+1食 計11食
1944円(1個当たり177円)
歯茎でつぶせる(区分2)/9種類×1食+1種類×2食 計11食
2200円(1個当たり200円)
舌でつぶせる(区分3)/10種類×1食+1種類×2食 計12食
2502円(1個当たり208円)
かまなくてよい(区分4)/9種類×1食+2種類×2食 計13食
2327円(1個当たり179円)
もちろん1回分の食事が1個の利用とは限らないので、高いか安いかは個人差があると思います。
ただお昼ごはんとして、夕食の中の一品として利用することで食事の準備のストレスを少し軽減することができるかもしれません。
また、レトルト介護食とは少し違いますが「やわらかダイニング」の宅配食はいかがでしょうか?
こちらもレトルト介護食同様、作る人の負担を軽減しながら食べる人のレベルに合わせた3種類の形態のメニューが取り揃えられています。
塩分も1食あたり2.2g以下になっており、3食食べても約6.6g。
日本人の一日の塩分摂取量の目安にほぼ近づけることができます。(男性7.5g、女性6.5g)
日本人にとって塩分の制限は難しい問題なので、その点が丸投げできてしまうのは有難いですね。
実際に試してみるとなると利用者の口コミは気になるところです。
こちらを参考にしてみてはいかがですか?
手抜きに見えないアレンジレシピ
レトルト食品はもちろんそのままでも美味しく頂ける商品です。
でもそのまま利用することに抵抗があったり罪悪感を感じる方は、ひと手間加えてアレンジレシピとして活用してみてはいかがですか。
肉じゃがの焼きコロッケ
油で揚げずに作れるので高齢の方にもあっさりと食べてもらえます。
野菜も加えて栄養素アップにも効果的。
もともと柔らかめに作られていますが、大きさや柔らかさなどは食べる方に合わせた調整が必要です。
煮込みハンバーグと野菜のチーズ焼き
ミックスベジタブルとピザ用チーズを加えるだけで出来てしまうという手軽さに感動。
耐熱容器でそのまま作れるため洗い物も最小限にできます。
こちらも食べる方のレベルによって調整が必要です。
じゃがいもと貝柱のグラタン
揃える材料は貝柱のマカロニグラタン、じゃがいも、粉チーズ、マヨネーズ、パセリの5つのみ。
冷蔵庫にあるものでアレンジできちゃいます。
レンジとオーブントースターだけで作れるとは、なんとも嬉しいことです。
以上、紹介したレシピはほんの一部です。
自分好みのものをチョイスしてみました。
他にもたくさんのアレンジレシピが公開されていますので、気になった方はぜひ参考にしてみてください。
献立の幅もグッと広がりますよ。
レトルト介護食は作る手間は省けるものの、全くなにもせずに食卓に出すことはできません。
温めたり盛り付けたりの最小限の手を加える必要があります。
でも本当になんにもしたくない日ってありませんか?
僕はあります。
そんな時はお弁当が便利ですよ。蓋を開ければ食べることができますからね。
ワタミの宅食は毎日お弁当を届けてくれるサービスです。
もちろん毎日ではなく一週間に〇回という利用の仕方もあるため、上手に活用すれば更に負担軽減になることでしょう。
まとめ
食事は毎日繰り返される日々の課題です。
その課題をクリアしなければ生きてゆくことはできません。
でも毎日全力でその課題に取り組んでいると、どこかで必ずエネルギーが切れてしまいます。
そうなる前に少し息抜きしましょう。
レトルト食品は手軽に使えますが決して手抜きではありません。
頑張るあなたの手助けをしてくれる頼もしいパートナーです。
罪悪感を感じる必要はありません。
レトルト介護食を上手に活用することは介護者にとって大きなメリットです。
「手抜き」ではなく「手間抜き」
ひとりで頑張ろうとせず便利なレトルト食品に頼りつつ日々の課題とうまく付き合うことで心に余裕が生まれるのではないでしょうか。